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同窓会に昔を思う

 駅に降り立つ。久しぶりの古里。会場には懐かしい顔、顔、顔。あれはSさん、あれはT君。
25年前の記憶の糸をたどるのに数分とはかからなかった。胸の奥深くたたんだ思い出は一気にふき出した。母に背中を流してもらった記憶のない私の背中を流してくれたのはY君のお母さん。弱虫だった私を一生懸命引っ張ってくださったのはM先生。階段や廊下がきしむ、山のふもとの小さな小学校。赤十字活動を通して温かい心を育ててくれた。
 同窓会の数時間は、またたく間に過ぎた。お別れの時の先生の手の温かさがとてもうれしく、涙ぐんでしまった。
 勇んで古里を後にして、もう20年にもなるのに、年を重ねるごとに古里を慕い、心の通った触れ合いを思う。決して幸せばかりじゃなかった幼いころ。先生方の温かい手に支えられ、ここまで来たと思う。
  先生いつまでもお元気で。皆さんまたお会いしましょう。

     昭和62年   読売ライフ   5月号    掲載 

by abeliam | 2008-01-29 16:08 | Trackback | Comments(0)