温か先生の消しゴム
3年間の歩みが、650枚になった。中三の娘の担任の先生が、入学の日からその時々の足跡をつづって配って下さったものである。生徒たちの交換ノートあり、先生の願いあり、叱咤激励の言葉があるなど、ふれ合いの場だった。
先日、皆に消しゴムを下さった。「試験の当日に忘れた生徒を見てきた。それに、角の丸くなったもので慌てて消すと隣の文字まで消えてしまうから」と言われたそうだ。
私は胸が熱くなった。受験戦争真っただ中、ともすれば重圧感に押しつぶされそうなこともあるだろう。殺伐とした子供たちの心も熱くなったことと思う。
先生の消しゴムは、どんな神社のお守りより心を静めてくれるだろう。そして相手の心の
痛みのわかる人間となって、三月に巣立っていくことと思う。
昭和62年 1月30日 読売新聞 気流 掲載
娘は、「温か先生」に仲人をお願いして、このクラスで机を並べた同級生と結婚、
幸せに暮している。
先日、皆に消しゴムを下さった。「試験の当日に忘れた生徒を見てきた。それに、角の丸くなったもので慌てて消すと隣の文字まで消えてしまうから」と言われたそうだ。
私は胸が熱くなった。受験戦争真っただ中、ともすれば重圧感に押しつぶされそうなこともあるだろう。殺伐とした子供たちの心も熱くなったことと思う。
先生の消しゴムは、どんな神社のお守りより心を静めてくれるだろう。そして相手の心の
痛みのわかる人間となって、三月に巣立っていくことと思う。
昭和62年 1月30日 読売新聞 気流 掲載
娘は、「温か先生」に仲人をお願いして、このクラスで机を並べた同級生と結婚、
幸せに暮している。
by abeliam | 2008-01-29 16:27 | Trackback | Comments(0)

