私の花物語
ふり注ぐ陽光を受け咲き乱れたライラックの下に立つ。19年前に亡くなった父がその数年前に植えてくれた花木。実家の木は枯れたが、その分身はこの庭にしっかりと根付いてくれた。
酷暑のこの地で、これほど大輪の品種が育つのは珍しいと聞く。孫の成長を見ることもできなかった父が、家族の幸福を見守ってくれているようだ。
激動の人生を送り、50代で逝った父。ライラックの命も短いが、父の視線を感じ、安堵感を覚える。父の分も有意義な人生を送ろうと心に誓う数日間である。
来年もまた会えますように。
1997 5 9 読売新聞 夕刊 私の花物語 掲載 ライラックの写真も

この写真は、掲載時のものをスキャナで取り込んで作成しました。
横から枝を出した分身が、今、少しずつ育っています。
by abeliam | 2008-05-06 11:51 | Trackback | Comments(1)

